1年生対象の社会科講演会で今年は、第五福竜丸元乗組員で核廃絶に向けて積極的な働きを進めておられる大石又七さんをお招きしました。1954年 アメリカの水爆実験でご自身が経験された事実を詳細にお話しいただき、当日おきた出来事や帰国後の様子、その後の政府の対応とアメリカの動きがどのような ものであったのかなど、貴重な示唆を得ることが出来ました。福島原発事故とビキニ事件との浅からぬ関係や、ご自身と仲間達を蝕んでいった放射能による被害 の恐ろしさを力説され、本当のことを学ぶということがいかに大切なのかを強調されていたその姿に励まされる思いでした。大石さんにはこの場をお借りして感 謝申し上げたいと思います。
[生徒の感想]
講演を聞いて率直に思ったことは水爆とそれに伴う放射能汚染はあまりに残酷なものであるということです。これまで原爆や水爆などいわゆる核兵器と呼ばれ るものについて人間の作った兵器で最も威力の高い兵器という印象を持っていました。しかし核兵器の残忍さはその破壊力、威力だけにとどまらないことを知り ました。それが第五福竜丸の乗組員である大石又七さんを今もむしばむ放射能汚染です。
百数十キロも先で起きた水爆実験に遭遇した第五福竜丸ですが、軽くその距離を超えて放射能が降ってくるという事実に驚きましたが、放射能の体に及ぼす影 響が深刻なものであることも知りました。そして自分たちも放射能にさらされているであろうことを理解し、さらなる危機感を持ちました。今や日本全体、そし て世界の多くの人々も放射能と核のあり方を考えさせられる時代です。そんな時代だからこそ、この恐ろしさについてさらに知りたい、そして発信していきたい と感じました。
いま人々は放射能と核の恐ろしさについて気がつく機会を決して逃してはならないと思います。この先、放射能や核によるさらなる被害者が出る前に、いま私 たちが出来ることは何なのか。それを考え、追求していくことが、放射能という物質に対する世界中の人々の考えを再確認させるものだと考えます。核による被 害を受けた大石さんのような方から生々しくも、非常に貴重な話をうかがえたことを光栄に思います。自分もこのような事実を忘れることなく、受け継いでいく べきと思いました。核問題しかり、福島原発しかり、放射能による犠牲をもう二度と被ることは決していけないと強く思うことが出来ました。